和歌山県立医科大学麻酔科学教室のウェブサイトです SITEMAP

和歌山県立医科大学 麻酔科学教室

後期研修医日記<Blog>

2023年

後期研修医日記その30(浦 章博)

2023年6月

和歌山県立医科大学附属病院 麻酔科入局2年目の浦と申します。

昨年は大学病院で上級医の先生と共に、様々な症例を経験させていただきました。2年目の4月から、田辺市にある紀南病院で日々研鑽を積んでいる真っ最中でございます。基本的には独り立ちするようになり、緊急手術や心臓血管外科麻酔も担当し、忙しいながらも大変ありがたい環境で過ごしています。その中で、大学病院で学んだ麻酔方法の細かい部分に深い意味があったことに気づいたり、逆に疑問を持って再考したりと少しずつですが成長を感じております。また臨床を続けながら、大学の先生方にご指導いただきながら学会でのポスター発表や論文作成など学術活動においても充実した麻酔科医生活を過ごさせていただいております。

さて、これを読んでくださっている方の中には将来の診療科を決定するのに悩んでいる初期研修医の先生も多くいらっしゃるのではないかと思いますので、和歌山県立医科大学の麻酔科の魅力や将来性について個人的な意見ではありますが述べたいと思います。

麻酔科の役割とは、主には『周術期における患者さんの生命の維持』と考えています。当たり前のことのようですが、大変重要で不可欠な役割であり、やりがいのある仕事です。手術を受けるにあたり、術前の状態を評価しリスクを挙げ、その患者さんに最適な麻酔方法を組み立て、ときには不測の事態にも冷静かつ正確に対応します。私は研修医の頃、当院の麻酔科をまわりましたが、麻酔科の先生方の情報処理能力や対応力の早さに感銘を受け、「こんな風になれたらいいな」と思い、麻酔科の門戸を叩きました。さらに当院の麻酔科は教育にかなり力を入れており、初期研修医・後期研修医をターゲットとした勉強会や博識な先生をお招きした講演会などをおよそ月に1回開催しています。またいい意味で先輩との垣根が低く、困ったことがあればなんでも相談しやすい環境が整っています。

麻酔科医は手術室だけにとどまらず、ペインクリニックや緩和ケア、集中治療(ICU)など急性期から慢性期まで様々なアプローチで患者さんの苦痛を除くスペシャリストです。私も将来どのサブスペシャリティを選択するか迷っている最中ですが、百聞は一見にしかず、経験しないことにはわからないということで、様々な経験を積みながら決めていきたいと思っております。

昨今、医師の働き方改革も急務の課題として世間でも取り上げられるようになってきました。当院も働き方改革の真っ最中で当直明けは優先して帰宅できるようなシフト体制やコメディカルへのタスクシフトなどを進めています。また麻酔科は女性も働きやすい診療科の代表として挙げられますが、当科も約4割強が女性医師であり、常勤として働かれているママさん麻酔科医も多数いらっしゃいます。詳しいことが知りたい方は麻酔科を研修して直接聞いてみてください!女性医師が多い理由がそこにあると思います。

最後に、朝が早い麻酔科ですが、私より早起きして毎日美味しいお弁当を作ってくれている妻への感謝を忘れずに日々精進してまいりたいと思います。

« 後期研修医日記TOPに戻る