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和歌山県立医科大学 麻酔科学教室

後期研修医日記<Blog>

2023年

後期研修医日記その33(岩崎 萌)

2023年11月

麻酔科後期研修医1年目の岩崎萌です。入局して6ヶ月が経とうとしているこの時期に、自己を振り返った日記を書かせていただきます。最初に麻酔に触れたのは、挿管ができるようになりたいと目標を持って回った、市中病院での研修医2年目の4月でした。そこで指導いただいたのが手技だけでなく、自分の介入によって刻一刻と変動する全身管理の面白さを学ばせていただいたのが麻酔に対しての興味の一歩でした。その後、医局の雰囲気や、大学の麻酔科でやっていけるのかを知りたいという思いで大学で研修させていただきました。1ヶ月回っただけでも仕事内容の重さや日々の大変さを感じ、入局しても大丈夫なのかな、と不安に感じたのを思い出します。他の科とも本当に最後まで悩みましたが、1つの臓器に囚われない全身管理の面白さ、毎日手を動かして1回1回の手術の形を作り上げることへの尊敬などが根底にあり、麻酔科に入局することを決めました。また、様々な分野の手術麻酔がありますが、研修中どれをとっても興味をもって勉強することができたのも大きな理由であると思います。

実際に4月から麻酔科医として勤務し始めた頃は、職場環境や生活習慣が大きく変化することに慣れず、今思い出すとかなり大変なスタートであったように思います。同期だけでなく、上級医の先生方に勉強面でも精神面でも支えていただきました。基本的に自信がないことが多く、考えることが多くなって辛い時期もありましたが、日々の勉強や経験の積み重ねにより、少しずつできることが増え、それが小さな自信に繋がり、落ち着いて物事を考えられる場面も増えてきたように感じます。

熱意のあるご指導や、1つ1つの丁寧な準備や手技、早朝から深夜、時には翌日の朝まで麻酔を行う上級医の先生方の仕事姿には日々圧倒されています。そして、仕事の中で励まし合ったり、知識を共有してくれたり、また仕事終わりや休日には集まって遊んだりしてくれる同期は日々の癒しであり、とても感謝しています。また、患者さんに関しては、手術室に至る背景は多様であり、定期・緊急に関わらず様々な物語があって辿り着く場所なのだと感じることが多いです。そのような人生の一大事に関わることができる仕事であり、また仕事としてだけではなく、何が起こるかわからない人生の中で後悔のない毎日を過ごしたいと考えさせられる場面もあり、そのような視点を与えてくれる場所としても貴重な経験をさせていただいていると思います。

麻酔に少し慣れてきた頃ですが、今月末から心臓麻酔の勉強会が始まり、新たな知識を得て能力を鍛えていかなければならない時期なのだと感じています。また、今までの知識も、わかると思って何となくで流さずに、人に明確に説明できるような状態にアップデートしていく努力をし、毎日1つ1つの麻酔の機会を大事にしていければと思います。

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