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和歌山県立医科大学 麻酔科学教室

後期研修医日記<Blog>

2023年

後期研修医日記その34(塩谷 一樹)

2023年12月

後期研修医1年目の塩谷一樹と申します。

私は現在、和歌山県の地域医療枠医師として紀南病院で内科勤務しております。そして毎週水曜日に、大学にもどって麻酔の研修させていただいております。先日、地域医療枠や自治医科大学卒の初期研修医の先生方が麻酔科を考えてくださっているという話を耳にしましたので、この場をお借りして私が麻酔科専攻でありながら内科医として働くうえで最近感じていること(心の持ちよう?)を少しだけお話したいと思います。
私は研修医1年目の夏、特に深い考えもなく麻酔科研修を選択し、麻酔に惹かれました。ですが、研修医を終えてすぐ、合計して5年間は内科医として働くこともあり、内科を選択するべきか悩みました。その後に呼吸器内科を研修し、内科なら呼吸器内科になりたいと考えました。しかし、5年間の内科業務のためだけに今後40年働く職業を決めてしまっていいのか、とも思いその後も何度か麻酔科を再研修させていただきました。そして最終的に、自分の一番惹かれる科を選択しようと決心し、麻酔科へ入局しました。
では、実際麻酔科に入局していきなり内科医として働いてどうなのか。
それはもう、めちゃくちゃに焦ります。
内科医としても未熟、そして大学へ戻れば同期は目に見えて成長していく。。。
しかしそれは麻酔科や外科系を専攻した人に限った話だけではありませんでした。
先日、内科系を専攻している地域医療枠・自治医科大学卒の同期と話をした際に、まったく同じような焦りを感じていることに気づきました。考えてみればわかることですが、どの科に入局したとしても等しく週1回の研修日のみです。そして、地域での内科症例は思った以上に病院ごとに偏りがあり、必ずしも専攻している内科系の疾患を経験できるとは限りません。そういった縛りがある以上、どの科に入局したとしても、専攻科に関する成長が遅れる点ではあまり差はありませんでした。むしろ研修日のみで症例が完結する麻酔科は得な方ですらあります。あとは、現実を受け止めたうえで、内科業務の経験をいかに他人と違う強みに変えるかに尽きるのだろうな、と感じています。

現在麻酔科を選択肢として考えてくださっている初期研修医の先生方に置かれましては、もちろん麻酔科を選んでくださるならとてもうれしい話です。ですが、たとえ麻酔科以外の科であっても今後生涯をかけた職業ですので、ぜひご自身がもっとも惹かれる学問を選択していただけたらなと思います。

最後になりましたが、いつもこちらの都合に応じてすぐに対応してくださるチーフの先生方、同期をはじめいつも優しく接してくださる先生方、そして毎週私の症例の予習を事前にまとめてくれている同期への感謝を忘れず、これからも一例一例を大切に実りある研修を送りたいと思います。

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