DIARIES[ 後期研修医日記 ]

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記事一覧

  • 2023.12.01

    後期研修医1年目の塩谷一樹と申します。

    私は現在、和歌山県の地域医療枠医師として紀南病院で内科勤務しております。そして毎週水曜日に、大学にもどって麻酔の研修させていただいております。先日、地域医療枠や自治医科大学卒の初期研修医の先生方が麻酔科を考えてくださっているという話を耳にしましたので、この場をお借りして私が麻酔科専攻でありながら内科医として働くうえで最近感じていること(心の持ちよう?)を少しだけお話したいと思います。
    私は研修医1年目の夏、特に深い考えもなく麻酔科研修を選択し、麻酔に惹かれました。ですが、研修医を終えてすぐ、合計して5年間は内科医として働くこともあり、内科を選択するべきか悩みました。その後に呼吸器内科を研修し、内科なら呼吸器内科になりたいと考えました。しかし、5年間の内科業務のためだけに今後40年働く職業を決めてしまっていいのか、とも思いその後も何度か麻酔科を再研修させていただきました。そして最終的に、自分の一番惹かれる科を選択しようと決心し、麻酔科へ入局しました。
    では、実際麻酔科に入局していきなり内科医として働いてどうなのか。
    それはもう、めちゃくちゃに焦ります。
    内科医としても未熟、そして大学へ戻れば同期は目に見えて成長していく。。。
    しかしそれは麻酔科や外科系を専攻した人に限った話だけではありませんでした。
    先日、内科系を専攻している地域医療枠・自治医科大学卒の同期と話をした際に、まったく同じような焦りを感じていることに気づきました。考えてみればわかることですが、どの科に入局したとしても等しく週1回の研修日のみです。そして、地域での内科症例は思った以上に病院ごとに偏りがあり、必ずしも専攻している内科系の疾患を経験できるとは限りません。そういった縛りがある以上、どの科に入局したとしても、専攻科に関する成長が遅れる点ではあまり差はありませんでした。むしろ研修日のみで症例が完結する麻酔科は得な方ですらあります。あとは、現実を受け止めたうえで、内科業務の経験をいかに他人と違う強みに変えるかに尽きるのだろうな、と感じています。

    現在麻酔科を選択肢として考えてくださっている初期研修医の先生方に置かれましては、もちろん麻酔科を選んでくださるならとてもうれしい話です。ですが、たとえ麻酔科以外の科であっても今後生涯をかけた職業ですので、ぜひご自身がもっとも惹かれる学問を選択していただけたらなと思います。

    最後になりましたが、いつもこちらの都合に応じてすぐに対応してくださるチーフの先生方、同期をはじめいつも優しく接してくださる先生方、そして毎週私の症例の予習を事前にまとめてくれている同期への感謝を忘れず、これからも一例一例を大切に実りある研修を送りたいと思います。

  • 2023.11.01

    麻酔科後期研修医1年目の岩崎萌です。入局して6ヶ月が経とうとしているこの時期に、自己を振り返った日記を書かせていただきます。最初に麻酔に触れたのは、挿管ができるようになりたいと目標を持って回った、市中病院での研修医2年目の4月でした。そこで指導いただいたのが手技だけでなく、自分の介入によって刻一刻と変動する全身管理の面白さを学ばせていただいたのが麻酔に対しての興味の一歩でした。その後、医局の雰囲気や、大学の麻酔科でやっていけるのかを知りたいという思いで大学で研修させていただきました。1ヶ月回っただけでも仕事内容の重さや日々の大変さを感じ、入局しても大丈夫なのかな、と不安に感じたのを思い出します。他の科とも本当に最後まで悩みましたが、1つの臓器に囚われない全身管理の面白さ、毎日手を動かして1回1回の手術の形を作り上げることへの尊敬などが根底にあり、麻酔科に入局することを決めました。また、様々な分野の手術麻酔がありますが、研修中どれをとっても興味をもって勉強することができたのも大きな理由であると思います。

    実際に4月から麻酔科医として勤務し始めた頃は、職場環境や生活習慣が大きく変化することに慣れず、今思い出すとかなり大変なスタートであったように思います。同期だけでなく、上級医の先生方に勉強面でも精神面でも支えていただきました。基本的に自信がないことが多く、考えることが多くなって辛い時期もありましたが、日々の勉強や経験の積み重ねにより、少しずつできることが増え、それが小さな自信に繋がり、落ち着いて物事を考えられる場面も増えてきたように感じます。

    熱意のあるご指導や、1つ1つの丁寧な準備や手技、早朝から深夜、時には翌日の朝まで麻酔を行う上級医の先生方の仕事姿には日々圧倒されています。そして、仕事の中で励まし合ったり、知識を共有してくれたり、また仕事終わりや休日には集まって遊んだりしてくれる同期は日々の癒しであり、とても感謝しています。また、患者さんに関しては、手術室に至る背景は多様であり、定期・緊急に関わらず様々な物語があって辿り着く場所なのだと感じることが多いです。そのような人生の一大事に関わることができる仕事であり、また仕事としてだけではなく、何が起こるかわからない人生の中で後悔のない毎日を過ごしたいと考えさせられる場面もあり、そのような視点を与えてくれる場所としても貴重な経験をさせていただいていると思います。

    麻酔に少し慣れてきた頃ですが、今月末から心臓麻酔の勉強会が始まり、新たな知識を得て能力を鍛えていかなければならない時期なのだと感じています。また、今までの知識も、わかると思って何となくで流さずに、人に明確に説明できるような状態にアップデートしていく努力をし、毎日1つ1つの麻酔の機会を大事にしていければと思います。

  • 2023.09.01

    和歌山県立医科大学附属病院 麻酔科入局1年目の永澤慶一です。

    入局して4ヶ月が経ちました。4月初めの自分と比べてみると、上級医の先生方の御指導のおかげで少しは成長できていると感じ、日々感謝しております。せっかくこのような機会をいただきましたので、自分が麻酔科に入局した理由と、近況報告をさせていただきます。

    僕は広島県福山市生まれで、愛媛県松山市、兵庫県姫路市に移り、奈良県生駒市で育ちました。高校は大阪に通い、高校3年生まで野球に明け暮れていました。本当はキャッチャーがしたかったのですが、ショートやセカンドをしておりました。部活引退後、学業はいつでもできる。高校の友達とは卒業までしかこんなに遊べないと、無茶苦茶な理論を並べて(両親に感謝です)、学業は一切せず毎日友人と遊んでいました。

    長い浪人生活を経て、和医大に入学しました。麻酔科に興味を持ったのはポリクリです。自分は外科系に進むだろうとなんとなく思っていましたが、外科の先生がオペをしやすいように麻酔科の先生が裏で操っている感じが、野球でいうところのピッチャーを操るキャッチャーのように思えて、麻酔科にとても魅力を感じました。やりたかったキャッチャーができるような気持ちになり、すごく高揚したことを覚えています。

    解剖学より生理学の方が好きだったこともあり、手術より、循環管理や呼吸管理の方が面白いと感じて、手術麻酔が好きになりました。
    話は変わりますが、浪人時代に知り合った友人で花屋を経営している方がいます。その友人から言われた言葉がとても印象に残っていました。「天国には飛行機も車もありませんが多分花は咲いていると思います。だから、花を手向けて送り出すのです。そういう仕事につけて幸せです。」

    サブスペシャリティとして、麻酔科には緩和ケアがあることを知り、友人のこの言葉を思い出しました。
    麻酔科医になって、将来的には人を看取り、送り出す緩和ケアの道に進みたいと漠然と思うようになりました。

    研修医になり、まず興味のあった麻酔科を回ろうと3ヶ月間の楽しい麻酔科研修を過ごしました。他の様々な科も回り、外科や内科領域からの緩和への道もあることを知りましたが、麻酔科に入って、全身管理を勉強し、ペインの知識を身につけ、ICUならではの管理や救命を知った上で緩和の領域に進むことができれば理想的だと思い、麻酔科への決心は揺らぎませんでした。
    研修医生活を経て、麻酔科に入局し、現在は日々の麻酔を自分なりに考えながら試行錯誤して行なっています。
    上級医の先生方には仕事終わりや休日に食事に連れて行っていただくこともあり、仕事中には聞けない話などもさせていただいて楽しくとても勉強になります。ありがとうございます。
    同期にも恵まれ、日々支え合って、仕事終わりや休日に食事をして色んな話をしたり、気晴らしをしたりします。いつもありがとう。

    7月に入って外病院で勤務させていただく機会もあり、今までと違った環境で自分のやっていた麻酔に新たな発見や気づきも生まれるようになりました。
    9月には地方会での発表も控えており、丁寧に御指導いただきながら、準備をしており充実した日々を送っております。
    11月には妻が出産も控えており、麻酔科医としても父としても1年目となります。
    仕事も家庭も両立し、良き麻酔科医、良き父となれるように日々精進してまいります。
    先生方、今後とも変わらぬ御指導のほどよろしくお願いいたします。

    毎日が楽しく充実しています。研修医の皆さん、ぜひこの魅力を感じに来てください。お待ちしています。

  • 2023.08.01

    和歌山県立医科大学附属病院麻酔科 後期研修医1年目の宇田と申します。

    気付けば季節は夏真っ盛り、麻酔科に入局して早くも4ヶ月が過ぎました。まだまだ未熟な私にとって毎日の臨床が新鮮であり勉強になる充実した日々であり、あっという間に時間が過ぎていました。毎日上級医の先生方にご指導頂き少しずつではありますが過去の自分と比較することで自分の成長を感じることができ、うれしく思っております。

    一方で勉強すればするほど自分の知識不足や経験不足を痛感し、上級医の先生のようになるにはまだまだ道のりは長いなとも思いますが、コツコツと日々努力を重ねて参りたいと思っております。今後ともご指導の程宜しくお願い致します。

    6月には初めて日本麻酔科学会に参加させて頂きました。色々なシンポジウムや若手向けのセッションを聴講し、次回自分が麻酔する際に実践してみたいと思える内容や、曖昧な理解で過ごしていた部分が明確なものとなりより理解の深まる機会となりました。初期研修医の頃にも機会を頂き臨床麻酔学会に参加させて頂いたことがあるのですが、その頃に感じた麻酔って面白い、もっと勉強したいと感じたのは間違いではなかったなと思いました。

    私は和歌山県出身で、和歌山県立医科大学を卒業しました。
    初期研修医になった頃はぼんやりとではありますが、外科系を志していました。
    その中で麻酔科も候補の1つではあり、友人の誘いもあり軽い気持ちでローテートさせて頂きました。すると麻酔科での日々は先生方が優しく熱心に指導してくださるおかげで実に面白く、如何に困難な症例でも難なく全身管理をし、テキパキと活躍されている先生方に憧れ、私もこんな医師になりたいと強く思い、入局を決意しました。また女性の先生も多く、なんでも相談しやすい環境であるのが魅力だと感じています。
    同期にも恵まれ、医局の雰囲気も和気藹々としていてとても居心地がよく、本当に毎日楽しく過ごすことが出来ています。

  • 2023.06.01

    和歌山県立医科大学附属病院 麻酔科入局2年目の浦と申します。

    昨年は大学病院で上級医の先生と共に、様々な症例を経験させていただきました。2年目の4月から、田辺市にある紀南病院で日々研鑽を積んでいる真っ最中でございます。基本的には独り立ちするようになり、緊急手術や心臓血管外科麻酔も担当し、忙しいながらも大変ありがたい環境で過ごしています。その中で、大学病院で学んだ麻酔方法の細かい部分に深い意味があったことに気づいたり、逆に疑問を持って再考したりと少しずつですが成長を感じております。また臨床を続けながら、大学の先生方にご指導いただきながら学会でのポスター発表や論文作成など学術活動においても充実した麻酔科医生活を過ごさせていただいております。

    さて、これを読んでくださっている方の中には将来の診療科を決定するのに悩んでいる初期研修医の先生も多くいらっしゃるのではないかと思いますので、和歌山県立医科大学の麻酔科の魅力や将来性について個人的な意見ではありますが述べたいと思います。

    麻酔科の役割とは、主には『周術期における患者さんの生命の維持』と考えています。当たり前のことのようですが、大変重要で不可欠な役割であり、やりがいのある仕事です。手術を受けるにあたり、術前の状態を評価しリスクを挙げ、その患者さんに最適な麻酔方法を組み立て、ときには不測の事態にも冷静かつ正確に対応します。私は研修医の頃、当院の麻酔科をまわりましたが、麻酔科の先生方の情報処理能力や対応力の早さに感銘を受け、「こんな風になれたらいいな」と思い、麻酔科の門戸を叩きました。さらに当院の麻酔科は教育にかなり力を入れており、初期研修医・後期研修医をターゲットとした勉強会や博識な先生をお招きした講演会などをおよそ月に1回開催しています。またいい意味で先輩との垣根が低く、困ったことがあればなんでも相談しやすい環境が整っています。

    麻酔科医は手術室だけにとどまらず、ペインクリニックや緩和ケア、集中治療(ICU)など急性期から慢性期まで様々なアプローチで患者さんの苦痛を除くスペシャリストです。私も将来どのサブスペシャリティを選択するか迷っている最中ですが、百聞は一見にしかず、経験しないことにはわからないということで、様々な経験を積みながら決めていきたいと思っております。

    昨今、医師の働き方改革も急務の課題として世間でも取り上げられるようになってきました。当院も働き方改革の真っ最中で当直明けは優先して帰宅できるようなシフト体制やコメディカルへのタスクシフトなどを進めています。また麻酔科は女性も働きやすい診療科の代表として挙げられますが、当科も約4割強が女性医師であり、常勤として働かれているママさん麻酔科医も多数いらっしゃいます。詳しいことが知りたい方は麻酔科を研修して直接聞いてみてください!女性医師が多い理由がそこにあると思います。

    最後に、朝が早い麻酔科ですが、私より早起きして毎日美味しいお弁当を作ってくれている妻への感謝を忘れずに日々精進してまいりたいと思います。