DIARIES[ 後期研修医日記 ]

タイトルイメージ
2025年8月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

記事一覧

  • 2025_arimoto.jpg (172 KB)
    2025.07.29

     麻酔科後期研修医1年目の有本光之介です。後期研修医となって麻酔科として4ヶ月が経とうとしています。新たな手技や重症疾患の麻酔など、経験できるレベルもどんどん上がっていき、不安になりながらも少しずつ成長しているのかなと感じています。

     私の簡単な自己紹介をさせていただきます。生まれも育ちも和歌山で今まで27年間和歌山で過ごしてきました。子どもの頃は医者になんてなれると思ってはいませんでしたが、気づけば麻酔科医として和歌山の医療に関わることができ、感慨深い気持ちです。学生時代は正直なところ麻酔科には全くと言っていいほど興味がなく、どんなことをしているのかもわかりませんでした。ブラックジャックが大好きで医者になりたいと思っていたということもあり、将来は外科がしたい!という気持ちでした。学生実習などを得て、心臓が好きになり心臓血管外科を考えていたのですが、いざ研修で3ヶ月麻酔科を回ってみると手技もたくさんあり、特に手術中の全身管理を一人でできることがとても楽しくて自分に合っているなと感じました。研修中に上級医に麻酔科をなぜ選んだのかを聞いた時に、「病棟管理ではたくさんの患者をまとめてみないといけないけど、麻酔科はこの手術中は1人の患者に全力を注ぐことができる」と教えていただいたことが印象的でした。現在は麻酔科医として1つ1つの手術でその患者さんにとって一番いい麻酔をできるように頑張っています。後期研修医になってから硬膜外麻酔や神経ブロックなどもするようになり、術後に全く痛くなかった、ぐっすり眠れたよ、などの言葉をいただいた時は自分が麻酔をできてよかったなと実感する瞬間です。

     元々、心臓血管外科に興味があったこともあり、自分が麻酔科になったら心臓麻酔をしっかりやりたいという気持ちがありました。心臓麻酔には経食道心エコーを使用しますが、経食道心エコーの認定医のJB-potという資格があります。この試験は麻酔科に限らず、いつでも受験できることもあり、私は研修医の2年目に受験して合格することができました(心臓麻酔はまだやったこともないですが…)。この勉強が役に立つまでにはまだ先の話ですが、まずは一般麻酔を一人でできるように頑張っていこうと思っています。

     また、ここの麻酔科では後期研修医勉強会が定期的に開催されており、教育の面でもしっかりしているなと感じます。わからないことがあればなんでも相談できる環境があって、本当にストレスフリーな職場です笑 麻酔科はオン、オフがはっきりとしているので休日は趣味のキャンプやバンド、今年は山登りも始め、富士山に登りにいきます。

     もし麻酔科に興味があって悩んでいる方がいれば、一度研修で麻酔科を回ることをお勧めします。私も全く興味がなかったところからのスタートだったので人生何があるかわかりませんね。

     最後にいつも丁寧でかつ熱心にご指導してくださっている上級医の先生方への感謝の気持ちを忘れず、もっと成長して一人前になれるよう努力していきたいと思います。

    2025_arimoto.jpg (172 KB)

  • 2025_yamasakih.JPG (124 KB)
    2025.07.01

    麻酔科後期研修医1年目の山﨑博貴と申します。
    7月に入り、入局してから早くも4か月が経とうとしています。

    振り返ってみると、慣れない町への引っ越し、初めて触れる電子カルテ、内科業務、そして麻酔科研修と、慌ただしい日々に追われる毎日でした。気づけば、あっという間の4か月間でした。ようやく環境にも慣れてきたタイミングで、このたび後期研修医日記を執筆する機会を頂きました。

    この日記を読んでくださっている方の中には、麻酔科を志すことを考えている後輩や、私と同じように地域枠で将来に悩んでいる方もいらっしゃるかと思います。そうした方々にとって、少しでも参考になる内容になれば幸いです。

    まず初めに、簡単に自己紹介させていただきます。
    私は自治医科大学を卒業後、和歌山県立医科大学で初期研修を修了し、現在は県庁の人事により紀南病院で勤務しております。ふだんは内科業務を中心に行っていますが、毎週月曜と水曜には紀南病院の麻酔科で半日ずつ研修し、さらに月に一度、第1水曜日には和医大の麻酔科でも研修を受けています。

    内科か麻酔科かで悩みましたが、「義務年限の数年間だけで将来の専門科を決めたくない」と考え、麻酔科を選びました。進路を考える際には、麻酔科の先生方、とくに地域枠で麻酔科を専攻されている先生方に相談させていただきました。大変さはあると感じましたが、それ以上に、周囲の先生方や同期に支えられながら麻酔を楽しんでいる姿を見て、自分もこの道に進もうと決意しました。

    4月から始まった麻酔科研修では、心臓血管外科や産科の手術を中心に担当しています。慣れない内科業務と並行して心臓麻酔の勉強を進めるのは大変でしたが、上級医の先生方のご指導のもと、特に心臓麻酔については付きっきりで教えていただくことも多く、わからないことをすぐに質問できる環境で、少しずつ成長させていただいております。

    内科業務についてですが、紀南病院の内科は、和医大でいう救急タームに近い印象です。主に呼吸器内科や内分泌内科の疾患を中心に診ています。主治医制であること、また循環器系の救急対応も担う病院であるため、緊張感のある場面も少なくありません。それでも、わからないことがあれば上級医や他科の先生方にも相談しやすく、日々出会う症例を通じて少しずつ学びを深めています。

    地域枠においては、「専攻する診療科に触れる時間が限られ、専門医の取得が遅れる」といった不安の声をよく耳にしてきましたが、私はそこまで強く感じていません。もちろん、全体的な経験量としては同期に遅れをとる面もあるかもしれません。しかし、異なる環境で異なる指導医から学ぶことで、同期にはない視点や知識を得ることができると考えています。そうした学びを同期と共有・議論することで、全体としての成長につながっていくと思っています。

    また、土曜日に開催されている「麻酔塾」にも参加しており、知識面での遅れを補えていると実感しています。

    地域枠で麻酔科を検討している後輩へのアドバイスとしては、「地域枠としての内科研修と麻酔科は相性が良い」と感じています。

    麻酔科は手術室が中心の仕事ですが、さまざまな外科疾患に関わると同時に、多様な内科疾患の術中管理を行う場でもあります。したがって、地域に出て広く疾患を診なければならない立場でも、麻酔科のバックグラウンドがあると基本的な知識を持って対応でき、心強く感じることが多いです。

    また、地域での内科業務を通じて、多様な疾患を長期的に診療することにより、術中合併症のある患者さんに麻酔をかける際に、「どの程度の重症度でどれほどの注意が必要か」といった肌感覚や臨床的な解像度が養われると信じて、内科にも真摯に取り組んでいます。

    さらに、麻酔科は外科医と密接に連携する仕事でもあるため、術後の病棟管理の大変さを身をもって経験することで、外科チームとの連携においてもよりよい関係が築けるようになるのではと感じています。

    最後になりますが、和医大で研修する際には、いつも温かく迎えてくださる先生方や同期の皆さんに、心から感謝しています。
    内科業務と並行しての麻酔科研修ではありますが、一例一例を大切にしながら、実りある研修となるよう努めてまいります。

    2025_yamasakih.JPG (124 KB)

  • 2025.02.01

    和歌山県立医科大学附属病院麻酔科 後期研修医1年目の五鬼継義仁と申します。

    毎日麻酔をかけていると、気付けば年が明けて2025年になっており、麻酔科に入局して早くも9ヶ月が過ぎました。日々の臨床の全てが新鮮であり、臨床上の疑問が噴出し、時には自分の判断は正しかったのかと思い悩むこともあります。一方で、毎日上級医の先生方に丁寧にご指導いただき、成長していると感じられる時もあり、嬉しく思っております。

    さて、少し自己紹介を書かせていただきます。出身は田辺市で、福島県立医科大学を卒業後、地元の紀南病院で初期研修を修了しました。麻酔科を専攻した理由は麻酔科ローテ中に秒単位で変化する術中の状況に素早く冷静に対処し、バイタルを安定させている麻酔科専攻医の先生がかっこよく見えて自分もこうなってみたいなと憧れがあって決めました。

    よく聞かれる名字については、修験道の開祖、役小角という人にお仕えしていた鬼の夫婦の子供ということがルーツだそうです。そして、その鬼夫婦の子供5人がおのおの奈良県下北山村で宿坊を代々営んでいたそうで、その子供の末裔が私になります。ただそれ以上詳しいことは私自身知らないので、名字やルーツに詳しい方がいらしたらぜひ教えてください。

    この記事を読まれている方の中には、麻酔科を専攻しようかと迷われている先生もおられるかもしれません。少し和医大麻酔科の宣伝をさせてください。
    和医大麻酔科では定期的に初期研修医向けの勉強会を開催しており、外病院の研修医で他大学出身でありながらも、参加した時に仲良く和気あいあいとした雰囲気で非常に熱心に教えてくださり、ここなら不器用な自分でもなんとか頑張れると思ったので入局を希望した経緯があります。
    実際、後期研修医以降は担当した症例は自分でアセスメントして判断することが多くなり、責任が重くなります。そのため(入局前は知らなかったのですが)、後期研修医向けの勉強会やハンズオンセミナーも定期的に開催されており、日々勉強になって、日常診療に活かされています。また、当直も上級医と2人で行うため何かあったら相談できるという安心感の下で当直しています。(専攻医の当直は金曜日or土曜日だけです)

    麻酔科を少しでも考えくださっている先生方、和医大麻酔科に見学きてみませんか?
    整った指導体制、柔軟性の高い働き方、いろいろ実際目で見て体感していただきたいです。
    ぜひ、一度よろしくお願いいたします。

  • 2024.11.02

    麻酔科後期研修医1年目の森中美緒と申します。

    気づけば金木犀の甘い薫りは儚く消え肌寒い日が増えてきました。
    後期研修医日記を執筆する機会を頂戴しましたので、拙文ではありますが4月からの研修について書き記そうと思います。

    入局から半年以上経過しましたが、日常臨床では日々己の未熟さを痛感するばかりです。手技に関してもまだまだですが、最近ではバイタルの変化などが起きた際のアセスメントが不十分であると感じることが多く、猛省の毎日です。一方で4月の何もわからず右往左往していたころに比べると少し余裕が出てきたと感じることもあり、今後は指導医の先生からいただくフィードバックや自らの臨床上の疑問をもとに、一つひとつの症例により真摯に向き合っていくことを目標としようと考えております。他人よりも飲み込みが遅く、決して要領が良い方ではない私にも優しくご指導くださる諸先生方には感謝が尽きません。10月からは大学病院以外での麻酔も経験させていただくようになりましたし、1月からは心臓血管外科の麻酔の担当も控えており、身の引き締まる思いです。

    また私個人にとって大きな出来事として、9月に開催された第70回関西支部学術集会にて学会発表の機会をいただきました。多数の論文や症例報告を読みながら経験した症例をスライドやポスターにまとめる過程で、症例について理解が深まり、もっとこうした方がよかったのではないかという反省も多くうまれました。自分の立てた仮説に対して、本当にそう言えるのか、別の可能性はないのかと批判的になり考察する経験を積むことができ、勉強になりました。次のステップとしては同症例について雑誌への投稿を目標に目下症例報告としてまとめている最中です。多忙な日常業務の間を縫ってご指導いただける環境に感謝しながら取り組んでおります。

    この日記を作成するにあたりこの2つの理由を文章に起こし、改めてこの半年近くを振り返ってみると、自分の選択は間違っていなかったと実感できます。無理がないようにという教室全体の配慮を強く感じ、非常に有難い環境で研修を行うことができています。また専門医試験が先月行われ試験に臨む先輩方を間近に見ることができ、目下の目標達成に対しての具体的なイメージが固まりつつあります。麻酔科に興味のある臨床研修医の皆さん、ぜひ当教室に見学、研修に来てみてください。きっと満足ができる研修ができることと思います。

    充実した研修の反面大変なことも少なくありませんが、今後とも偉大な諸先輩方の背中をみながら日々精進していく所存です。

  • 2024.11.01

    麻酔科専攻医1年目の澤田拓と申します。この日記をご覧になる方の中には、麻酔科に興味のあるものの研修先に迷われている臨床研修医の方々もいらっしゃると思います。その方々に向けて、他大学出身の私が専攻医研修先として当教室を選んだ理由を2つ紹介したいと思います。

    ①研修体制が整っている

    この理由に関してはどの研修病院もさまざまな工夫を凝らして研修体制を整えていることと思います。いくつかの病院に見学に行きましたが甲乙つけ難かったです。実際に研修を行なっている専攻医にお話を伺い、最も無理なく成長できると感じたのが当教室でした。専攻医向けの勉強会が定期的に開催される、半年間は大学病院で研修をおこなってから外勤が始まる、などなど研修に際して専攻医任せにせず、教室全体で専攻医を育てる体制が最も整っていると感じました。

    ②自分の成長がイメージできる環境がある

    臨床研修医の時、来年の今頃はここまでの事をできるようにならなければならない、と1学年上の先輩を手本として自分の成長を具体的にイメージしていました。そのような経験から、身近な先輩がおり成長をイメージできる研修先を選びたいと考えていました。当教室には専攻医が1年目から、専門医試験を受けることができる4年目まで途切れることなく在籍していました。専門医までの自分の成長のイメージを明確にすることができると考え、当教室での専攻医研修を決めました。

    この日記を作成するにあたりこの2つの理由を文章に起こし、改めてこの半年近くを振り返ってみると、自分の選択は間違っていなかったと実感できます。無理がないようにという教室全体の配慮を強く感じ、非常に有難い環境で研修を行うことができています。また専門医試験が先月行われ試験に臨む先輩方を間近に見ることができ、目下の目標達成に対しての具体的なイメージが固まりつつあります。麻酔科に興味のある臨床研修医の皆さん、ぜひ当教室に見学、研修に来てみてください。きっと満足ができる研修ができることと思います。